小諸 布引便り Luckyの日記

信州の大自然に囲まれて、老犬介護が終わり、再び、様々な分野で社会戯評する。

施政方針演説を読んでみた:

施政方針演説を読んでみた:

 

これまで、首相の施政方針演説が、新聞に、詳細が報じられても、読む気がしなかったが、(もっとも、仕事を抱えていれば、そんな時間も無いのは事実であるが)時間があるので、それに、今日の内憂外患の折も折りであるから、何も、人の足を引っ張り合うときでもないだろうから、冷静に、一字一句、キーワードを追いながら、読んでみることにした。忙しい方は、しばし、お付き合いいただければ、その目指そうとする方向性は、見えてくるのではないだろうか?

 

1章:はじめに:

 

福澤諭吉の「一身独立して、一国独立す」の譬えから、独立した個人を基礎にして、国民も、国家も、苦楽を共にし、共助・公助の精神の大切さを訴える。

 

2章:被災者の強い自立心と復興の加速化:

 

思いやりの心、自立して支え合う気概、個人では解決できない問題・課題の存在、復興の加速化、復興庁の現場主義の徹底による課題の具体的な解決、除染・風評被害・早期帰還の実現、その先の希望の創出、東北での将来の成長産業の育成、新たな創造と可能性の地である東北の創出、

 

3章:経済成長を成し遂げる意思と勇気:

 

日本経済に希望が持てるように再生させる責任と3本の矢(金融政策・財政政策・成長戦略) その実現の為の意思と勇気、テロの犠牲を繰り返さないための具体的な方策、海外の成長を日本へ取り込むべき施策、攻めの農業政策、強い農業の育成、再生医療・創薬、先端医療、健康長寿大国を生んだ医療技術・サービス、コンテンツ産業、ファッション・文化伝統・クールジャパン、日本食文化、環境技術、低炭素社会実現をビジネスにまで高めて行くこと、技術・サービス・知的財産等の国際的なルールの調和、ルールを待つのではなく、積極的に、創って行くという国になる、外交力を駆使した国益に叶うTPP, FTA,等の経済連携、世界から優れたヒト・モノ・カネを集めることが出来るような仕組み創り、総合科学技術会議メタンハイドレード、海洋開発、宇宙利用、テレワーク、遠隔医療、IT活用、新たな可能性のあるイノベーション、責任あるエネルギー政策(エネルギー安定供給とエネルギー・コストの低減)、電力システムの抜本改革、国際先端テスト規制改革会議の使命、公務員改革、地域分権、地域の元気創り、世界一を目指す気概、高い技術と意欲を有する小規模業者の挑戦を応援する仕組み、働く意欲のある人の報酬の引き上げを可能にする税制改革強い経済を取り戻す

 

4章:世界一安全・安心な国:

 

国土強靱化政策、防災・被災対策・インフラ老朽化対策、サイバー犯罪・テロにタイする対策、悪質商法から消費者の防衛、安心・安全な国創り

 

5章:暮らしの不安に一つ一つ対応する政治:車座ふるさとトーク、子供の教育、子供の命、虐め・体罰、教育再生実行会議、道徳教育の充実、教育委員会の抜本的な改革、学力の向上、大学力の在り方、平成の学生大改革(6・3・3・4制の見直し)待機児童解消、夜間・休日保育の検討、放課後児童クラブの拡充、地域子育て支援、仕事への復帰、マザー・ハローワーク、仕事との両立支援事業者への助成、介護と子育てと仕事との両立、トライアル雇用制度、再就職支援、女性が輝く日本の創出、若者・女性活躍推進フォーラム、何度でもチャレンジできる社会の創出、持続可能な社会保障制度(三党合意に基づき、国民会議で協議)プライマリー・バランスと財政健全化目標の実現

 

6章:原則に基づく外交・安全保障:

 

3つの原則(戦略的な外交・普遍的価値を重視する外交・国益を守る主張する外交)、基軸としての日米同盟と不断の強化日米安保同盟の抑止力としての価値米軍再編に伴う日本の役割、普天間の移設、北朝鮮の核・ミサイルの問題と拉致問題尖閣領有権の問題、レーダー照射の問題、戦略的互恵関係、韓国との問題、未来志向で重要なパートナーシップの構築の必要性、ロシアとの北方領土と平和条約締結問題、豪州・インド・ASEANの海洋アジア諸国との連携、G8,G20,アフリカ開発会議との国際的枠組み作り、

 

7章:今そこにある危機

 

沖縄最前線での海保・自衛隊・警察官の現場を激励したことを引き合いにして、領土・領海・領空を守り抜く決意表明、防衛大綱の見直し、防衛関係費の増加、国家安全保障会議の設置、フォークランド紛争を引き合いにして、海に於ける法の支配安全保障の危機を訴える、

 

8章:おわりに:

 

貝原益軒の牡丹の花を引き合いに、寛大な心を持って、初心に立ち戻ることを忘れないことを訴える、建設的な議論と結果を出すことの必要性憲法改正の国民的な議論を深めることへの理解、

 

 

 

こうしてみてくると、成る程、色々な「時限爆弾や地雷」が、巧妙に、ちりばめられていて、知らないで聞いていると、いずれ、爆発したり、うっかり踏んづけてしまいそうである。一方で、これまでの余りにもひどいネガティブ・キャンペーンに、麻痺しているせいか、明るい心理的な再興への期待が、一見力強い言葉の中に、ある種の「願望的な期待感」が、そそられることはないとは言えない。外交上では、中国や韓国への配慮が、言葉としては、なされているようであるが、読み方によっては、逆に、「強い政治的メッセージ」が、言外に、感じられることは否めないであろう。別に、マスコミが、相変わらず、鸚鵡の如く囃し立てる、「痛みが分からない」内容では無くて、むしろ、実に、色々なキーワードが、巧妙にちりばめられている。(太字で表示してみたが)それにしても、夏の参議院選挙までは、刺激的な憲法改正も、デフレとの闘いや経済復興・成長戦略を最優先して、建設的な議論と結果を出す方向性を打ち出しているのは、極めて、その意図がわかりやすいではないか?謂わば、誰しもが、反対意見を出しづらいという状況を十分、反映している。前回の蹉跌を踏んだせいだろうか、張り裂けそうな漲る気概を、むしろ、冷静に、手綱を締めるように、内に秘めこそすれ、決して、相手には、気取られないようにする配慮、考えようによっては、TPPが、経済安保を前提にしている以上、「安全保障」という言葉が、食品ではないが、生活の隅々にも「安心・安全」のセイフティー・ネットのコンセプトが、待機児童対策や女性の雇用対策などにも、反対しにくいように、生かされている。自民党が下野してから、色々と学んだ結果が、各種分野に、適用されているように見受けられよう、エネルギー政策でも、単純に、これ迄の原発依存という何も変わらない方向性でもなく、じっくり、その方向性を見るべきであろうし、公共投資への拡充というのも、従来型のばらまき型や箱物型の公共投資では、もはや、国民の目をごまかすことは、出来ないであろう。その意味では、民主党による透明性の開示は、一定の成果が、継承されて然る出来であろう。もっとも、科学技術に対する圧倒的な音痴を印象づけたあの蓮舫による「何故、世界一位でなければならないのですか?」と言う発言は、今も、耳に残っているが、これを逆手に取るかのような「科学技術振興」、「教育の再生」なども、いかにも、「反対できない」雰囲気の創出は、プロらしい政治的な手法であろう。透けて見える共通する下絵は、どうやら、このプロらしい「表だって、反対できない手法」ではないだろうか?決められる政治とは、どうやら、積極的に、自分の政治的主義主張を前面に出すのではなくて、まずは、「反対できない」状況を作り出して、そこから、根こそぎ抵抗勢力をなぎ倒して、それから、後に、初めて、キー・ワードが、前面に、出てきて初めて、反対しようとしても、その時には、もはや反対できないような情勢になっているのではないだろうか?建設的な議論の提起に対して、どのように、野党は、対応するのか?それとも、もはや、既に、アベノマジックのお湯の中で「茹で蛙」状態なのであろうか?前回の蹉跌を踏んでから、この間、どういう心境の変化があったのであろうか?良い意味での君子豹変すであれば、宜しいが、、、、、。