小諸 布引便り Luckyの日記

信州の大自然に囲まれて、老犬介護が終わり、再び、様々な分野で社会戯評する。

絵本、「小さな島」を待合室で読む:

絵本、「小さな島」を待合室で読む:

例によって、出たとこ勝負の、行き当たりばったりの絵本読みである。しかも、それは、本屋の立ち読みだったり、図書館から、借りてきたり、今回は、何と、歯石を除去に通う近所の歯科医院の待合室に置いてあった子供専用の絵本からである。海の中に、ぽっかりと浮かぶように描かれた「小さな島」、原題は、ゴールデン・マクドナルドというペン・ネームのマーガレット・ワイズ・ブラウンなる作者による、The Little island (1946) 、イラストは、レナード・ワイスガードにより、訳は、谷川俊太郎である。このイラストを描いている人物は、そう言えば、年末に、ぶらり、本屋で、何気なく立ち読みをしたところの絵本、「たいせつなこと」(The Important Book)1949)の挿絵を書いていた人物と同じであることを思いだした。アメリカという国は、戦後すぐにでも、こんな絵本を出版して、親が子供に、ソファーやベッドで読み聞かせていたのかと想像するだけで、驚いてしまう。約70年という時間を経ても、絵本というモノは、色あせないものである。そもそも、Golden McDonald なるペン・ネームは、やはり、あのハンバーガーの黄金色に輝くアーチから、どういう意味合いで、採用したのであろうか?何故か、理由を知りたいものである。何ともユーモアがあって、面白い。小さな黒猫や魚や、小さな島にすら、お喋りをさせてしまうという手法により、海と島(世界)と、そこに依存して現に生活している全ての生き物たちに、その自然界のリンクと循環を、やさしく、簡潔に、子供達にも、(大人になりきれない子供・大人や、こどものまま大きくなってしまった大人)にも、短い言葉で、その挿絵と共に、示唆・想像させてゆく。やはり、絵本と挿絵とか、イラスト画というものは、不可分な関係性を有するモノで、文章化された言葉だけでなく、行間だけに止まらず、余白に込められた絵を通じて、何か、「絵本の中に、息づいている何ものか」が、想像力(心の創造性を培養する力)と共に、読み手である人間(親など)から、聞き手である(子供達)、或いは、自分自身へと、 作者になり替わって、訴えかけてくるような気がしてならない。それは、聞き手の中に、そういうものを育て上げる免疫力や薬になるのかも知れない。なかなか、哲学的な世界観を有する意味合いもあって、次の診察の待合の間には、少し早めに行って、もう一度、読み返してみることにしましょう。