小諸 布引便り Luckyの日記

信州の大自然に囲まれて、老犬介護が終わり、再び、様々な分野で社会戯評する。

貿易収支の赤字と韓国、Car of the Year:

 

貿易収支の赤字と韓国、Car of the Year

 

貿易収支の赤字幅が、オイル・ショック時以来、その幅が、著しく、この傾向が、今後も、続くことが懸念されていると、、、、、。その主たる原因としては、電力用の燃料の輸入コストが大幅に増加した反面、超円高による輸出の低迷であるそうである。何とも、摩訶不思議なことである。為替が、どちらにブレても、結局、メリットを議論することなく、ひたすら、デメリットの方ばかりが、強調されてしまう。円高になれば、単純に考えれば、輸出競争力が低下するのは、当たり前で、又、その逆も可なりであろうことは、自明の理である。そんな中、あの韓国で、トヨタのアメリカ製の輸入車(カムリ)が、カー・オブ・ザ・イヤーに初めて、選ばれたと云うではないか、販売努力や韓国現地ニーズ分析も勿論、高く評価されなければならないであろうが、米韓FTAによる輸入関税が、日韓での輸入関税に較べて、低く、且つ、アメ車・輸入車ということで、人気が出ているらしい。何とも、皮肉な現象である。国際貿易の内実は、今日、誠に、複雑・怪奇な様相である。組み立て素材の部品を日本から輸入して、或いは、多国籍で、輸入しても、一旦、製品に組み立てられて、中国から、輸出されれば、それは、統計学上、中国製となり、皮肉にも、中国の輸出実績なのである。そんな簡単な仕組みも知らずに、反日デモで、日系企業に投石しても、どれ程の中国人が、雇用され、それによって、どれ程の中国の輸入と輸出が影響を被るかと云うことは、実は、参加者の誰も考えたこともないし、又、教えようとすらもしないのであろう。それは、サムスンの携帯電話もそうであろうし、アメリカ・トヨタ車によるこの韓国のカー・オブ・ザ・イヤァー受賞も、同様であろう。更に敷衍すれば、それは、又、日本人による貿易収支の赤字の問題分析と見通しも、然りであろう。円高が進行すれば、輸出が不振となり、国内産業の空洞化が進行し、更に、貿易収支の赤字の恒常化が避けられないと、又、工場の海外移転に伴う海外からの配当収入等を含めた経常収支が、この先、黒字を維持するとも限らないとも、そして、その先には、日本国債の売りに伴う財政の不安が、見通されるとも。これでは、円高でも円安でも、どっちに転んでも、最悪のシナリオではないか?どうも、経済学者も含めて、経済政策の立案者にも、もはや信用がおけないような気がしてならない。このままの状態で推移すれば、遅かれ早かれ、経常収支も、悪化してきて、財政再建も何もかもうまく行かず、大変なことになると予想されていると。今でも記憶しているが、為替レートが、1ドル=308円から、200円台に、そして、100円を切る頃に、「日本沈没論」が人口に膾炙したものであるが、その当時、シャープは、90円になっても、大丈夫であると豪語していたが、それは、為替リスクを回避して、海外生産の比重を高め、第三国からの輸出で、為替リスクを回避した先手必勝の策だったのであろう。しかし、今や、逆に、会社の存続自身が、危うくなりつつあるのは、何とも、皮肉以外の何ものでもないであろう。

 

世の中は、今や、どんどん、予想を遙かに超えて、想定外な出来事が、日常化し始め、いつの間にか、それが、既成事実化されてしまっている。規制緩和と称されていたことが、必ずしも、「万事これで良し」という訳ではないことを、我々は、既に、過去の歴史から、知っている。だからといって、既得権にしがみついている旧主派が、良いという訳ではないことも、同時に又、知っている。簡単に、ヒト・モノ・カネが、国境を超えてしまっている現実がある限り、本当に、これまでの尺度で、貿易収支とか、国際収支などのモノサシで、未来が、測れるのであろうか?どうも、この頃、釈然としないのは、私ひとりであろうか?