小諸 布引便り Luckyの日記

信州の大自然に囲まれて、老犬介護が終わり、再び、様々な分野で社会戯評する。

実質賃金は、果たして、いつになったら、上がるのか?:

実質賃金は、果たして、いつになったら、上がるのか?:

何でも、非正規社員の正社員への登用やら、限定正社員への切り替えにより、実質賃金の上昇に、良い影響が出ようなどと云う楽観的な見方が出ている。しかしながら、本当なのであろうか?よくよく考えてみれば、本来、正社員で採用すべきパイを、実質的に、この失われた20年の間に、非正規社員派遣社員として、総賃金額を抑制しただけであって、低賃金労働政策だけでは、昨今の人手不足を補うことが出来ずに、結局、正社員へと再び、登用することで、これを埋め合わせただけの話で、決して、積極的な労働生産性の向上に伴う利潤の分配率を増加させるモノではない。しかも、成長戦略の実質的な進捗が、実感されない限り、急激な円安・ドル高の進展もあって、ますます、実質的な賃金水準の伸びは、輸入・電力コストの増加とも相俟って、相殺されつつある。更には、円安にブレたとしても、既に、日本の経済体制自体が、グローバル化の下で、急激な円高に対応する海外生産システムを構築していて、直接的な日本本国からの輸出が、金額上も数字上も、伸び悩んでいる構図が現状であろう。天候不順という要素を差し引いても、今後、個人消費性向は、秋口に向かって、どのように、推移するのであろうか?無論、来年度末に予想される消費税の10%へのアップにしても、するにしても地獄、しないも海外からの国債の利率上昇のリスクという地獄の状況になるのか?実質的な賃金上昇が伴わなければ、力強い景気の回復と安定的・持続的な維持は、不可能であろう。大都会だけの景気の回復で、地方での実感が乏しく、従って「地方創生と女性活用」を声高に叫ばなければならない現状なのであろう。どの要素をとっても、時間的な制約もあり、なかなか、思うようには、良い方向へ相互機能するまでに至っていない。冬のボーナス時期には、どのような賃金上昇が期待されるのであろうか?小手先だけの数字ではなく、実質的な数字の評価が問われるところである。アベノミクスもいよいよ、正念場に差し掛かろうとしているのだろうか?