小諸 布引便り Luckyの日記

信州の大自然に囲まれて、老犬介護が終わり、再び、様々な分野で社会戯評する。

君のいない散歩道をひとり歩く:

君のいない散歩道をひとり歩く:

梅の蕾が、いつの間にか、膨らみ始めた。昔は君と一緒に、いつもの川沿いの散歩道を一緒に歩くと、狭い道沿いに、3種類の紅白の梅の樹が、春先前には、毎年、つぼみが膨らみ、数輪の花が、開花するのを愉しんだものである。丁度、塀際から、枝が伸びて、背の高さほどで、鼻を寄せると良い具合に、剪定されていて、春の柔らかい甘い香りを嗅ぐことが出来た。必ず、その場所から、数十メートル手前に差し掛かると、君は、いつも決まって、鼻先を風上の方に向けて、クンクンとその空気に漂うであろうこの春の香りを一緒に、愉しんだものである。もちろん、君の鼻の方が、私のアレルギー性鼻炎の鼻に較べたら、ずっと、1000倍程も感度が良かったであろうから、君の方がいつも先に、立ち止まって、クンクンと嗅いだものである。そんな散歩道も、もう、2年余り、同じ散歩道は、歩いていない。ふと、家の梅の樹を見たら、蕾が大きく、膨らみつつあるのを見ていたら、そんな昔の光景を想い起こして、一人で、トボトボと、歩いてみることにした訳である。同じように、今年も又、同じ時期に、程なく、甘い香りがすることであろう。カワセミが、魚を捕ろうとしていた場所も、今日は、前日の雨が降ったせいか、濁っていて、横目で見ながら、通り過ぎてしまったが、君と一緒に、散歩の途中で、ずっと眺めていたことを想い出した。18年間も長い間、一緒に散歩した途も、もう、再び、通うことも、こんな事がない限り、そんなにはないであろう。一人で歩いていると、君がいつものように、時々、後ろを振り向きながら、ひょっこりと、私の一歩前を歩いている姿を想い出して、涙が溢れそうになる。春先の梅の香りと夏の終わりの金木犀の香りには、君の残像が、いつまでも、付きまとわって胸が痛くなってしまいそうである。写真の君は、気持ちよさそうに、永遠に、午睡を愉しんでいるかのようである。