小諸 布引便り Luckyの日記

信州の大自然に囲まれて、老犬介護が終わり、再び、様々な分野で社会戯評する。

大村智博士のノーベル医学賞受賞に思う:

大村智博士のノーベル医学賞受賞に思う:

確か、小学生の頃には、甘いチョコレート・タイプの寄生虫駆除剤を、必ず、貰って、舐めた記憶がある。考えてみれば、野菜にも、良く寄生虫がついていたから、洗浄剤が普及する前には、良く洗って食べなさいなどと、注意を促されたものである。もっとも、アフリカ等で、土中に潜む寄生虫とか、フィラリヤなどと云う病気や風土病の名前を聞くと、成る程、3億人もの多数の人達を、この新薬が、救済したことを想い起こすと、凄い偉大な業績であるなと思う。しかも、大学を出てから、夜間高校での教師の経験から、改めて、学問の重要性を再認識して、研究者として、再出発したというエピソードや、祖母から、「人の役に立つような研究をすること」を聴かされたことや、スキーから学んだ、「人の真似をしない練習」とか、美術館の開館でも、専門研究分野とは別の、人としての側面を重視する人間味は、世界的な研究者としても、実に異色である。しかも、フィールド・ワークで、収集した微生物菌を、ゴルフ場から収集したり、その後の留学できっかけとなった製薬会社のメルクとの共同研究で、創薬の開発に携わり、この延長戦で、延べ10億人にも登る数の人達に、「無償」で、提供することになった背景は、一体、何処にあったのであろうか?それにしても、無償提供などと云うことは、ノーベル医学賞よりも、むしろ、ノーベル平和賞にもおおいに価する業績であろう。ノーベルが、ダイナマイトの発明から得た巨額の利益を人類に、還元すべく、設立された賞ではないが、無償提供なる形で、数多くの人々の救済に貢献したことは、一日本人としても、おおいに、誇りに思うところであろう。こういうことは、野口秀雄博士の黄熱病の研究とか、「密林の聖者」として称えられたシュバイツァー博士の物語を子供時代に危機ながら育った世代には、是非、大村博士の物語を、小さな子供達にも、聴かせて揚げたいモノである。如何せん、「人の育て方」を、考えさせられるものである。