小諸 布引便り Luckyの日記

信州の大自然に囲まれて、老犬介護が終わり、再び、様々な分野で社会戯評する。

TPP 大筋合意なる:

TPP 大筋合意なる:

12ヶ国の国益が、あからさまに、ぶつかり合い、約5年に亘る交渉の結果(日本が、参加してからも2年を費やしたものの)最終的な大筋合意の道筋が見えたようである。勿論、これから、各国は、国内法の承認・批准やこれに伴う関連法令の改定などの作業が、課題として、のこされているものの、それでも、メガFTAとしての、TPPの大筋合意というのは、明らかに、太平洋を跨いだ今後の中国への牽制という面では、大きな国際的な貿易ルール作りの面で、これまでのWTOなどとは、比べものにならない程の、減速する経済の中国にとっては、大きな圧力になるに違いない。各国は、自国の「聖域」を如何にして守るかに、それぞれ、腐心しているものの、国際的な貿易の枠組み作りの中では、今日、ますます、輸入関税の限りなく、ゼロに近づけてゆくという方向性は、どんなに、抵抗しても、もはや止めることの出来ない世界的な趨勢である。アジアの中でも、これで、出遅れてしまった中韓FTAを先行させていた韓国も、枠外に留まっていることは、もはや、不可能に近いことであろう。我々は、これまでも、日米間で、日米繊維交渉、半導体交渉、或いは、米の自由化、オレンジ・グレープ・フルーツ・リンゴの輸入自由化など、散々、「聖域」という言葉の名の下、競争力を削がれて、補助金という名目の下で、過保護に、農業・畜産・酪農政策を、蔑ろにしてきた。これまでの経験から、「聖域」と称されるものは、果たして、本当に、守るにたるべきものなのであろうか?それ程までに、云うならば、過去、それなりに、何か新しい価値を創造して、守るにたるものを有しているのであろうか?「美しい田園風景」を守れ等という情緒的なスローガンに、どれ程、耕作放棄地の現実が、判っているのであろうか?美しい棚田を守りたければ、一生懸命、地域の住民に任せるだけでなくて、都会からも、積極的に、親子連れで、農作業にボランティアで、参加して、米作り、農業の大切さを学ぶ運動に参加すべきであろう。既に、外米などは、外食業界で、知らずに散々、食べているだけで、毎日の食卓の米などは、質も、味も良い米を食べているのが、現状であろう。オレンジやグレープ・フルーツ自由化反対の時と同様、知恵と英知を傾ければ、決して、壊滅的な被害を一方的に、被ることはなかろう。むしろ、戦争が不可能になるような相互の安全保障の観点や、或いは、大いなるビジネス・チャンスが、潜んでいると思われるが、、、、、、。NZのような日本にも負けず劣らぬ面積の狭い島国でも、あれ程の生産性の高い世界的にも国際的な競争力の高い酪農製品を生産出来るのである以上、日本が、如何にも、まるで、赤子の手を捻るかのように、負けて消滅してしまうようなメディアの報道は、どうも、信用がならない。ノーベル賞を受賞した大村智博士ではないが、研究費がなければ、研究できないのは、可笑しい、むしろ、研究費を生み出すような研究を、研究者は、科学すべきであるのではないが、千載一遇の大きなチャンス到来ではなかろうか?私は、これまで、貿易業に携わってきたから、こうした意見を述べるわけではないが、日本には、もはや、内向きな議論をしている時間的な余裕ももはやないのでは無いだろうか?ひたすら、研究を重ね、付加価値を高め、世界の誰一人として、生産していないような商品を生み出し、これを日本ばかりでなく、世界にも流通させてゆくことこそ、唯一、生き残る途ではなかろうか?安かろう悪かろうという商品は、今や、通用することなく、むしろ、多少、高くても、安全で、安心して、使用でき、食べられるものが、あの中国人ですら、今日、気がつき始めているではないか?今後は、如何にして、これを成長戦略の中に、具体的に、各論で組み込んでいけるのかが、おおいに、課題として残されていよう。