小諸 布引便り Luckyの日記

信州の大自然に囲まれて、老犬介護が終わり、再び、様々な分野で社会戯評する。

四国お遍路の旅、阿波決め打ち脚ならし篇:その9:不殺生は難しい:

四国お遍路の旅、阿波決め打ち脚ならし篇:

その9:不殺生は難しい:

 

十善戒という遍路における行動規範がある:

  • 不殺生:生きているもの、すべての命を大切にする。
  • 不偸盗:物を盗まず、他人のものを大事にする。
  • 不邪淫:性は尊いものであり、節度をもって、性を考える。
  • 不妄語:うそ、偽りはいわず、真実をはなすことを心掛ける。
  • 不綺語:虚飾のことばは話さず、飾らない本当のことばを話す。
  • 不悪口:悪口は言わず、相手をおもいやることばで話をする。
  • 不両舌:どの人に対しても二枚舌を使わず、温かな気持ちで話す。
  • 不慳貪(ふけんどん):強欲をはり、貪ることなく、感謝の気持ちで過ごす。
  • 不瞋恚(ふしんに):怒りを抑え、心を落ち着けて、優しい気分で過ごす。
  • 不邪見:邪な間違った考えを捨て、どの人にも平穏な気持ちで接する。

 

別に、これらは、遍路の旅の道中に限ったことではない。日常生活の中でも、あって然るべきものであろう。もっとも、熾烈なビジネスの世界でいきていると、そうも言ってはいられないかもしれない。それはともかく、お遍路の旅行中、一番悩ましいのは、初めにあげられた「不殺生」ではないだろうか?とりわけ、今回、様々な生き物が現れる。まずは、「蚊」、「蟻」、「蜂」、「やもり」、「沢蟹」、「雨蛙」などであろうか?面白いことに、宿坊の中には、しっかりと、防虫・防蚊の殺虫剤のべープマットや蚊取り線香が、建物内や室内には、備え付けられている。どうしたものであろうか?それでも、部屋の中まで、蚊は、侵入してくる。もっとも、デング熱が、徳島県で、流行っているという話を聞いたことがないが、何とも、悩ましい限りである。鬼龍野(オロノ)の山中では、雨の降る中で、カーブ・ミラーの所で、一休みしていると、すかさず、大きなスズメバチとおぼしき蜂が、ブーンという大きな羽音を立てながら、耳許をかすめてゆく。恐らく近くに、巣でもあったのであろうか、それとも、偵察隊の一匹であろうか?左手で持つ金剛棒で、叩きつぶすわけにもゆかないし、仕方なしに、その場を撤退・移動することにした。しかも、沢沿いに、坂道を登ってゆくと、小さな赤い「沢蟹」が、足許と自転車の車輪の間をチョコチョコと挟みを立てながら、まるで、威嚇するかの如く、横切って行く、これでは、車両で登ってきたら、間違いなく、無意識のうちに、轢き殺してしまっているに違いない。実際、小諸の里山では、真夏の夜間に雨の日などは、小さな雨蛙が、ピョコピョコと飛び跳ねて道を横切ってくる。実際、沢カニではないが、小さな雨蛙も、雨水に誘われるようにして、道端に出てくるので、これも又、要注意である。極めつけは、2番の納経所で、扉を開けると何と、一緒になって、ヤモリとおぼしき蜥蜴が、納経所の中に、入ってきてしまった。私は、踏みつぶすわけにもゆかないので、じっと、待っていたら、納経所の女性の人が、出ていて下さいとばかり、そのヤモリを外に追い出すようにして出てきた。それにしても、不殺生とは、なかなか、至難の業である。虫除けスプレーを皮膚に塗布したり、長袖のシャツを着用して、出来るだけ、不殺生を徹底するように、促されているように、思われるが、確かに、悩ましい限りである。それにしても、日常生活の中でも、不殺生を実行するとなると、これ又、難しい課題であろう。それでも、普段気が付かないようなこんなことに関しても、改めて、考え直す機会を持てたことは、実に、有難い貴重な体験である。野宿しているとまむしにも遭遇すると云われている。日常生活の中で、厳格に実行することは、至極、難しく、悩ましいことである。そんな事柄も、今回、学ばせて戴いたことは有難い話である。