小諸 布引便り Luckyの日記

信州の大自然に囲まれて、老犬介護が終わり、再び、様々な分野で社会戯評する。

島耕作のアジア立志伝におもう:

 

島耕作のアジア立志伝におもう:

 

(アニメ)X(ドキュメンタリー)の融合手法で、アジア経済最前線と成長の秘密に迫るシリーズの番組である。第1話スペシャルは、タイのCP(チャロン・パカポン)のタニン・チャラワノン会長の特集である。(種子の販売から、飼料・海老の餌・鶏の餌・養鶏場・鶏肉販売、流通・不動産・保険等の国際的なコングロマリットになった正大集団のこと)その華僑の経営手法と日本的手法とを対比させながら、どのように、チャンスをつかみ取り、困難を乗り越えてきたかというところを、今日的に、日本的経営の苦境克服と相俟って、考えてゆこうとするシリーズである。基本的な華僑独特の「風険投資」や、「三利」の思想を引用しながら、この今や「政商」と化した人物像と経営手法を考えるというモノである。そのリスクを危険と捉えるのではなくて、チャンス=機会と捉えるのは、結構なことであるが、多いに、違和感を覚えるのは、所詮、時代が生み出した政商であることには、変わりがない。独自のビジネス・モデルを創り出したことは、偉大であるが、どうも、松下幸之助本田宗一郎のような「官に頼らない」経営哲学というモノがそこには、一向に、見えてこない。要するに、泥臭い、若干、greedyな感じのする如何にも華僑そのものの「血脈」が感じられて鼻持ちならないのは、どうしたものか?農民が土地を収奪されるのを逆手にとったビジネス・モデルで、養鶏場を設立することが、本当に、農民の為になるのか?株式配当と将来の所有権を与えることが、本当に、農民の為になるのだろうか?一体、どこまで、資本の論理と利益をあげれば、この巨大な国際的なコングロマリットは、気が済むのであろうか?私には、それが、「違和感」と感じられてならない。新疆ウィグル自治区に、保険会社を開設して、農民に、保険を販売する事業でも、一体、現地のチベット人の自殺・人権弾圧を、どう考えているのであろうか?番組では触れられることがないのは残念である。問題があれば、その都度、考えて解決すれば良いと言った鄧小平の言葉は、今日、その発展の引き替えに、ますます、その矛盾を拡大し、貧富の差や格差の拡大や腐敗を増幅させつつある。我々、日本人は、華僑でない以上、華僑から学ぶのは良いとしても、独自の日本人としてのビジネス・モデルを提示すべきではなかろうか?それにしても、華僑担当大臣なるポストが、中国政府にはあることに、改めて、驚かされる。日本は、移民を一種の「棄民政策」、或いは、満蒙開拓団ではないが、ある種の「国策」として、北朝鮮帰還事業も、そうであったように。必ずしも、華僑のようには、うまく、海外在住の日本人を活用出来ていないのが、実態であろう。或いは、帰国子女でもそうであるが、そうした貴重な体験やノウハウを有する人材の活用が、おざなりになっているのは、極めて、残念である。チャラワノンと言う名前は、飽くまでも、タイ国籍の名前で、その4人兄弟の名前は、皆、全て、民という字を付けて、父親が、正大中国(正民・大民・中民・国民)という頭文字を続けると、正しい大きな中国と言う意味になるとか、、、、?だから、天安門事件の時にも、撤退しなかったのだそうである。これが、今日の国際的なコングロマリットの基礎を築いた所以なのである。見方によっては、謂わば、血塗られし経営者ではないか?もっとも、それが、資本の論理の下では、「風険投資」として、逆に今日、評価されているとは、、、、、何とも、皮肉なモノである。果たして、我々、日本人は、反日デモの嵐の中で、どんなビジネス・モデルを提示出来るのであろうか?今や、問われているのではないだろうか?