小諸 布引便り Luckyの日記

信州の大自然に囲まれて、老犬介護が終わり、再び、様々な分野で社会戯評する。

絵本、「たいせつなこと」を読んでみた:

絵本、「たいせつなこと」を読んでみた:

 

もう、十数年前のことになるであろうか、従業員募集に際しての面接の時に、見事な金髪の肩の下にも届こうかと思うほどの長い髪で、現れた青年がいた。当然、その話に至った時に、その応募者は、きっぱりと、「これが、私のアイデンティティーなのであるから、全く、髪を切るつもりも、染め変えるつもりもありません」と言い放ったことをどういう訳か、想い起こした。マーガレット・ワイズ・ブラウンは、身近な動物や植物で、わかりやすく、子供たちに、自然の大切さを説くのを得意としているが、この著作では、どちらかと言えば、静物を中心に据えて、最後に、「あなた、自身が、あなたであること、それが、一番、大切なことである」と説き聞かせている。ガラスのコップが、透けて見えること、スプーンは、掬うことで、ひな菊の花は、その白さで、雨は、飽くまでも、みずみずしくて、潤うことで、草は、その緑で、輝くほどの緑色で、雪は、白くて、りんごは、丸くて、赤く、風は、吹くことで、空は、そこにあることで、靴は足を包むことで、そして、最後に、「あなたが、あなたであること」が、一番たいせつなことを、忘れないようにと、あるがままに、その働きを、役割を、その置かれた、生かされた場所毎で、Identityを自覚し、その役割を果たすべきこと、The Important bookは、静かに、しかし、しっかりと、心の中に留め置かれるように、聞き手に、そして、読み手にも、訴えかけているように思えてならない。幼い子には、何が何だか、分からないかも知れないが、やや、高学年になれば、自分自身を確信する時が、必ず、或る日突然、やってくるものである。その時に、昔読んだこの絵本の意味が、再確認されることも、宜しいのではなかろうか、何も、すぐに、読んで理解出来るものばかりが、すべて、即効的に、効く薬だけでなく、ゆっくりと、時間を掛けて、理解すること、効き目が徐々に効いてくる遅効性の絵本も、それなりに、意義があろうかとも、思われるが、読まれてみて、如何であろうか?