小諸 布引便り Luckyの日記

信州の大自然に囲まれて、老犬介護が終わり、再び、様々な分野で社会戯評する。

映画 「はやぶさ 遙かなる帰還」を観る

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映画 「はやぶさ 遙かなる帰還」を観る
私の小学校低学年の頃は、イタリア映画「青い大陸」や、世界的に名高い海洋学者のフランスのクストー博士による「沈黙の世界」等を、課外授業の時に、映画館に行っては、自然の神秘や科学の奥深さに、子供ながらに、その美しい映像に感動したものである。そんなきっかけが、科学への或いは、深海への夢を、勉強を動機づけたものである。既に、川口教授の著作や、展示会で、技術的な課題は、ある程度、知識がありつつ、この映画を観ると、日本人とは、何と、ロボットや、ロケット、惑星探査機すらも、「擬人化」し、終いには、「人生の縮図」か、「人生ドラマ」か、「分身」のように、扱ってしまう。資源のない国が、零戦を創り出したように、又、戦後は、その車輪のノウ・ハウが、国鉄の新幹線の軌道・車輪に応用されて、技術が、人を介して、受け継がれたように、宇宙工学のイオン・ロケットエンジンや、姿勢制御技術、様々な広範囲に亘る技術が、今後、若いエンジニア達によって、受け継がれて行くであろうことは、間違いない。そんな中でも、山崎努演じる街工場長の世界に誇る最先端技術は、どっこい、生き残ってゆくのであろうか?それにしても、「天国と地獄」、「成功と失敗」、「エレベーターの急上昇と急下降」、まるで、人生ゲームのように、目まぐるしく展開する最中に、改めて、「ぼろ切れを纏ったマリリンモンロー」とNASAに揶揄された日本独特の「人間主義・能力主義」、資源のない国が、如何に生き残るかという課題をそこに見る。「発想のユニークさ」というものは、金ではなく、(実際には、そうは言いたくはないが、、、、)やはり、人間、一人、一人が有する固有の個人の能力に、依存することは、間違いないらしい。それが、夢や、希望へと、やがて、つながり、「絶対に諦めないで」、ひたすら、「現場力・人間力・技術力」を磨き、個々人のフィールドを守り抜くことで、失敗から、成功へと、繋がることを、この映画は、人間ドラマとして、描いているように思える。もっとも、臼田の技術者が、長島一茂演じるところは、若干、違和感があったが、、、、それは、さておき、、、、。NECの技術者を演じた吉岡秀隆、主演の渡辺謙江口洋介石橋蓮司ピエール瀧、竜竜也、夏川結衣山崎努、それぞれ、個性的な役をこなしていた。音楽担当の辻井伸行も、知らぬ間に、耳に、入ってくる音で、あっという間に、終わってしまった。是非、学校でも、未来の小さな技術者に、プロジェクト・リーダーに鑑賞してもらいたいものである。技術論もさることながら、ノンフィクション作家の山根一真が、描きたかったのは、そこだったのかも知れない。写真に写し出された若い技術者が、今度は、これらの教訓を生かして、どんな展開をみせてくれるのか、大いに、期待したいところである。まだまだ、技術立国、日本は、どっこい、沈んではいられないだろう。