小諸 布引便り Luckyの日記

信州の大自然に囲まれて、老犬介護が終わり、再び、様々な分野で社会戯評する。

東映1980年作「動乱」の出演俳優を中心に

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東映1980年作「動乱」の出演俳優を中心に
朝日BSでのテレビ映像を観た感想であるが、粗筋は、五・一五事件から、二・二六事件へと繋がる軍部の腐敗と経済の疲弊に伴う貧困の時代背景を有した青年将校と、後にその妻となる女性との生き方を描いた映画であるが、その内容は、むしろ、映画で観るよりも、三島由紀夫の「憂国」を読んだ方が、ずっと、感動する思いがしてならない。それにしても、現東映の社長になった「岡田祐介」が、まだ、駆け出しのプロデューサーで、日活の「吉永小百合」と東映の「高倉健」が、初共演するという割には、映画の宣伝キャッチ・コピーは、どうも、今一、いただけない。三島に、大きなギョロ目で、「英霊に対して、不謹慎だ!」と、一喝されかねない代物である。映画ファンからは、映像に映る車が、時代考証にそぐわないミスであるとか、指摘されたり、内容は、どうも、納得しかねるが、(五味川純平の作品)今や、絶滅か、絶滅危惧種となってしまった俳優達が、夥しく、出演していることの方に、改めて、驚ろかされる。既に、鬼籍に、脚を踏み入れてしまった老優や、未だ若くして急逝してしまった俳優達の中で、私としては、次の俳優達を、とても、懐かしく、感じざるを得ない。黒沢組の「志村 喬」、主人公の高倉健の老父親役、渋い独特の語り口と声で、ナレーションも兼ねて出演した「佐藤 慶」、(俳優座の同期には、「宇津井健」、「佐藤充」、「仲代達矢」がいるが、、、、、)、そして、燻し銀の老獪な渋い役の「金田竜之介」、「田村高廣」(田村三兄弟の長兄)、刑事コロンボとして、名を馳せた声優「小池朝雄」、もはや、銀幕では、観ることが叶わないとは、残念で仕方ない。民芸出身で、「坂の上の雲」に、大山巌役で出演し、映画の中で、憲兵役で、主人公の毒殺を密かに助けたが、決起の日に、阻止するも、惨殺される役を演じた「米倉斉加年」も、もう、78歳にもなる。声優で、吉永小百合の老父を演じた「久米明」も、今や、88歳である。中堅どころでは、健さん組を自称し、いつも、若いときには、台詞がなかった名脇役の「小林稔侍」(70歳)や、「田中邦衛」(80歳)、「日色ともゑ」(71歳)、朝鮮人役の「左とん平」(75歳)、等、相変わらず無口、無骨の健さんを、脇から、支えている。若い俳優では、「永島敏行」、統一教会の問題で、結婚後引退してしまった三人娘のひとり、「桜田淳子」が、22歳の時に、出演しているが、亡くなった「田中好子」のことを思えば、ひょっとして、引退してなければ、結構、女優として、大成したかも知れないという錯覚を抱かせる。「空に太陽がある限り」の歌手「にしきのあきら」、それにしても、この時点で、35歳、初の娼婦役を演じた吉永小百合は、眼の表情が、ウルウルしていて、サユリストならずとも、たまらない魅力を感じられる。今年で、67歳になる。健さんは、もう、80歳である。もう、みんな、台詞を喋らなくても良いから、只、スクリーンに、映っているだけで結構であると、後ろ姿だけでも良いと、願わざるを得ない。今夏、公開される「あなたへ」が、待たれてならない。そう言えば、2月13日は、江利チエミの命日で、高倉健は、いつも、早朝に、お参りを欠かさないらしいと、、、。