小諸 布引便り Luckyの日記

信州の大自然に囲まれて、老犬と一緒に、様々な分野で社会戯評する。

映画、「アウトレージ・ビヨンド」を観る:

映画、「アウトレージ・ビヨンド」を観る:

小諸には、映画館がないので、東京に用事のついでに、観てきた。粗筋は、前作のアウトレージを観ていないと、若干、戸惑うかも知れない。初めて観る方には、事前に、予習してもらった方が、良さそうである。ヤクザの世界も、アウトローであるにも関わらず、結局は、カタギの世界の縮図そのものであるようだ。それにしても、拝金主義、欲と権力・金、経済ヤクザ・インテリ・ヤクザ、グローバル化、成果実績主義・実力主義、古参・年長組・年功序列排除、組織内いじめ、密告・陰謀と裏切り、武闘派・権謀術数家・知謀派、冷酷・冷徹さ、旧い義理・人情、我慢と暴発、緻密な計画としたたかさ、恫喝と威嚇、慈悲と無慈悲、組織vs個人、妥協と非妥協、組織防衛と組織増殖・拡大、マル暴対策の最前線現場と警察組織上層部、そして、加害者であり、且つ、被害者ともなる者、殺す側の論理vs殺される側の無念、一時の繁栄・栄華と没落、等等…、これでもか、これでもかという程の全編「人生賽の目転換」ゲームが繰り広げられる。映画とは言え、人間とは、いとも簡単に、しかも、理不尽にも、抹殺・制裁されるものであることが、実に分かりやすく、まるで、宗教的な教訓劇か、仏教的な煩悩を、徹底的に、教化してゆくかの如く、展開する。成る程、全編に、溢れんばかりの暴力・バイオレンスシーンは、こうした観点からみると、又、別のものが見えてこよう。それでも、細かく観ていると、カメラ・ワークや、タケシ・キタノ監督の独特な現代社会に対するシニカルなメッセージが、随所に、込められていて、まるで、ジグソー・パズルを解くようでいて、面白く愉しめる。暴力的なタマ(命)の奪い合いだけでなく、「言葉の闘い」も興味深い。とりわけ、関西言葉は、一見、耳障りが、柔らかく、耳心地が宜しいように感じられるが、喋る人間が違うと、こうまで、慇懃無礼にも、恫喝や脅しがきつくなるのかと、改めて、関東弁の直截な物言いとは、異なり、面白く感じられる。ここら辺は、西田敏行や神山繁は、なかなか、うまく、関西弁を台詞に載せていたように、感じられてならない。それにしても、デリバティブ先物取引などの自分にとっては耳慣れた経済用語が、石原役の加瀬亮から、聞こえてくると、何故だか、ヤクザの世界も、シノギがきつい、辛い渡世であるのかなぁと、おかしなことに、変に、感心してしまう。加瀬は、双日の会長の長男で、ワシントン州ベルビューに、7歳まで、生活していたそうで、成る程、前作での英語も、堂に入っていたのが頷ける。神経質そうな繊細な経済インテリ・ヤクザの若頭役は、ピッタリである。マル暴組織暴力団対策の最前線での片岡刑事役の小日向文世は、最期に、大友に射殺されてしまうところで、映画は、終わるが、確かに、警察組織での供述の在り方や、誘導の仕方、そして、何よりも警察組織、そのものの在り方ややり方が、問われるような役所で、繁田刑事役の松重豊ともども、なかなか、味があって、前作同様、敢闘賞ものではないだろうか?関西系の花菱会のヒットマン役で、一言も台詞を発しなかった高橋克典は、何とも、勿体なく、物足りない感じがしてならないが、随分、贅沢な役所である。何か、次回作にでも連なる意図が、隠されているのであろうか?木村一派のチンピラ役をもらった桐谷建太、新井浩文は、一寸、軽い役所ではあったが、将来の潜在的な成長が、期待されるものがあるように、思えたが、、、、、、、。褒めすぎだろうか?古参の山王会幹部役の中尾彬は、いきなり、消されてしまい、もっと、演技が観たかったのにと、まるで損をしたような、裏切られたような感覚で、これ又、随分、贅沢なキャスティングであると思えなくはないが、、、、、、、。韓国系フィクサーの登場や、政界絡みのスキャンダル等、何か、又、今後、新たなる展開が、ありそうな伏線が、随所に、ちりばめられていて、今後が、まだまだ、期待出来そうな展開ではなかろうか?それにしても、往年の青春スターや喜劇俳優が、全く別人格の極道役を演じることが出来るというのは、実に、映画俳優という職業は、羨ましい限りであろう。人間の潜在的な多面的な性格の発露や変身願望を、シャバの現実世界で、実行する訳にはいかない以上、「人生の賽の目」を、映画というサイコロに託して、反面、味わってみることは、とても、意義深いように思えてならない。ビヨンドの次は、フォーエヴァーとか、、、、、、、とかになるのであろうか?是非、続編・次回作を観たくなってきたが、、、、、、。キタノ監督のお力で、「あなたへ」のお返しに、今度は、健さんでも最期に、出演して貰えないだろうか?「ブラック・レイン」の時の高倉健松田優作が、想い出されるが、、、、、、、、。贅沢なお願いだろうか?大友の年上の兄貴分とかという設定でも、何でも良いから、、、、、、。是非観てみたいものである。