小諸 布引便り Luckyの日記

信州の大自然に囲まれて、老犬と一緒に、様々な分野で社会戯評する。

高倉健、「あなたへ」を、夫婦で観る

高倉健、「あなたへ」を、夫婦で観る

もう、我らの健さんも、81歳にもなるらしいが、あと何本の映画に、出られるのであろうか?もう既に、最終章なのであろうか?学生の頃、銀座の並木座で、池辺良や鶴田浩二とともに、出演していたまだ若かった寡黙な演技の高倉健、「昭和残侠伝」シリーズの2本立てをよく観たものである。あれから、優に、40年は、経過しているのであるから、、、、、、、。こちらも、歳を重ねたが、考えてみれば、銀幕の向こうでも、余輩を重ねた訳である。どういう訳か、鶴田浩二の演じる役所は、両拳を軽く握っていて、映画が終わると、自然に、僕たちは、両拳を握って、往来を闊歩したことを、今でも懐かしく想い出す。もう、池辺も、鶴田も、鬼籍に入ってしまったが、アーカイブ映画を観るにつけても、三者三様の後ろ姿の演技が、忘れられない。寡黙な演技で定評のある高倉健は、今回の作品でも、いかにも、木訥な中年刑務技官の役所で、癌で亡くなった妻の故郷の海での散骨を、問い直す旅に於ける見知らぬ人々との心の交流を、各地の美しい映像とともに、演じている。「あなたへ」、「さようなら」、という残された2枚の葉書、とりわけ、「さようなら」という言葉を使った妻の真意が、「あなたの時間を大切に、生きて欲しい」という意味を見出し、その寡黙な演技の中で、ボソボソと、低い声で、呟く。奇しくも、(高倉健・田中裕子)、(長塚京三・原田三枝子)、(佐藤浩市・余貴美子)、(三浦貴大綾瀬はるか)、の各世代の異なる役所の夫婦像を対比させながら、それぞれの個性的な俳優の演技も、面白く愉しめる。一寸、長塚は、健さんの前では、持ち前の演技が、固かったように、思えたのは、何故だろうか?それに比べると、ビートたけしや草彅剛、岡村隆史、の役回りは、それなりの持ち味を出せる役回りだったのではないだろうか?挿入された山頭火の句も、秀逸である。大滝秀治は、もはや、伝説になるような言い回しで、短い台詞が一人歩きするような印象である。高倉や大滝の寡黙な演技を、もっと、今後も、観てみたいものであるが、、、、、、、、、。いつまで、可能であろうか?最後のシーンで、妻の生家(?)の朽ち果てた写真館に飾られている、唄を唄っている少女の写真を眺める演技は、男の孤独と哀愁、亡き妻への暖かい想いを感じられて、何とも、観ている側には辛い。夫婦揃って、観るのも宜しいのではないか?